2017年11月25日土曜日

(24) 英語・翻訳の学習法 その2―ボキャビル(語彙力強化)


今週サンマを食べました。もうすぐ秋も終わるので、今年最後のサンマになりそうです。


今週の仕事

B社(日英、9/2の投稿の図)から頂いた仕事を納品。続けて来週が納期の仕事を頂きました。今までとは違う種類の装置マニュアルです。徐々に仕事の幅が広がっていけばいいなと思います。


英語・翻訳の学習法 その2―ボキャビル(語彙力強化)

トライアル応募までにしてきた英語・翻訳の学習についての2回目になります。

今回は、ボキャビル(語彙力強化)です。ライティングについては、再来週書く予定です。

ここでは、ボキャビルは「英文を読むために、単語帳などを使って単語・熟語の意味を暗記すること」の意味で使っています。単語・熟語を使って英文を書けるようになるのは、ライティングに含めます。

また、翻訳のために特に専門用語を覚えたということはありませんでした。

[単語]

前回は、仮に数年前に戻って技術翻訳者になるために英語・翻訳の勉強をやり直すとしたら何をするか、を考えて紹介する参考書を選びました。ボキャビルについては、いかに挫折せずに覚えられたかに重点をおいて書きます。

高校生のころに『英単語ターゲット1900』という単語帳を買って覚えようとしたことがありますが、最初の20、30ページで挫折してしまいました。

それから20年以上たって英語学習を始めたころに、瞬間英作文などで有名な森沢洋介さんの「英語上達完全マップ」内の「私自身のボキャビル体験」を読みました。

わずか3ヶ月弱で8000語以上の単語を暗記した結果、洋書を開いたときに以前とは「風景がまったく変わって」いたと言っています。

こういう体験を夢見て、ボキャビルを始めました。


まず、以下のサイトで測った私の(推定)語彙数の推移をお見せします。


my.vocabularysize.com (図中の点)
語彙数が14000語までなら、こちらで語彙数を推定できます。図から語彙力の変化がよく分かります。

testyourvocab.com (図中の点)
こちらで測った語彙数も載せています。理由はよく分かりませんが、ばらつきが大きいです。参考程度に見て下さい。

語彙数の単位はword familyといって、派生語をまとめて1つと数えています。

覚えた単語帳を「英検2級~準1級レベル」と「英検準1級~1級レベル」に分けます。それぞれの単語帳を覚えていた期間(オレンジ色の矢印、黄緑色の矢印)にどれくらい語彙力が伸びたのかが図から分かると思います。

英検2級~準1級レベル

フリーソフトP-Study System(以下PSS)付属の英検2級用問題、英検準1級用問題をやりました。このソフトを使うと単語を楽に覚えられることを実感しました。



DUO 3.0


完成度の高い単熟語帳です。復習用CDも購入し、ウォーキング中に聞いていました。

英検準1級~1級レベル


究極の英単語 Standard Vocabulary List [上級の3000語] Vol.3



究極の英単語 SVL Vol.4 超上級の3000語 (究極シリーズ)


SVL(Standard Vocabulary List)はアルクが選定した12000語のリストです。1000語ごとにレベル1~12にレベル分けされていて、究極の英単語第3巻にはレベル7~9が、第4巻にはレベル10~12が収録されています。

第1、2巻はDUOやPSS付属の英検2級、準1級用問題と重複する単語が多いので載せていませんが、私はやりました。

英語上達完全マップを10ヶ月やってみた」内の「単語の覚え方」に書いてある方法で究極の英単語第2~4巻(SVLレベル4~12)をPSSに取り込みました(英辞郎のCD ROMまたはDVD ROMが必要)。このソフトのみを使って覚える場合には、上の(紙の)本は必要ありません。私は使ったことがありませんが、PSSではなくAnkiというフリーソフトを使っている人も多いようです。


SVLのレベル10の途中から、複数の意味の中でどれを優先して覚えるべきか、訳語が適切なのかに疑問を持ち始めました。楽に覚えられているときには特に気になりませんでしたが、覚えるのが難しくなってくると、せっかく覚えるなら適切な訳語でよく使われる意味のみを覚えたいと思うようになりました。レベル11からは、全ての単語を学習用英英辞典で調べて、自分で訳語を作って覚えることにしました。ボキャビルとしてはとても効率が悪いですが、翻訳の勉強にはなりました。

ボキャビル中はSVLを終えた人たちのブログを読んで力をもらっていました。

おっさんのひみつ ~週末グンマーの英語学習~
Reach for the Sky! 英語上達完全マップで英語学習中

そうして何とかSVLの暗記を終えました。ところが新聞などを読んでみても、以前に比べて劇的な変化はありません。レベル12を覚え終えた時点で、それ以前のレベルの単語を忘れていたからです。見覚えはあるけれど、意味を思い出せませんでした。

そこでSVLの復習を始めました。しばらくは1回目と同様にPSSを使っていましたが、2、3ヶ月たってもなかなか覚えられなかったので、方法を変えました。単語帳の中の分からない単語の横に印を付けていって、次回以降は印が付いたものだけチェックするようにしました。どうしても覚えられない単語は、単語カードを作ったり、書いて覚えたりしました。苦労しましたが、何とか覚えることができました。

ボキャビルに時間がかかったせいか、残念ながらボキャビル前後で風景がまったく変わったという実感はありませんでした。ただ、ネットで英文を読むのが苦でなくなりました。

翻訳者としては語彙が少ないほうかもしれませんが、幸いなことに翻訳では辞書を使って知らない単語の意味を調べることができます。

現在は単語帳を使った(単語の)ボキャビルはしていません。英字新聞などで目にした単語、熟語、文などで覚えたいもの、役に立ちそうなものをエクセルファイルに入力して残しています。

私のボキャビル(熟語は除く)体験は以上ですが、参考のために他の人の体験や著書などを紹介します。


翻訳者、通訳者などを経て英語学習コーチになったエバンス愛さんは、通訳・翻訳の仕事で、専門用語などを除けばSVLのレベル10の語彙力で特に困らなかった (http://dokugakuenglish.com/eiken-1ji/reading-taisaku/rt1/)と書いています。

ドラマを使った学習法を提唱している南谷三世さんは、英検1級の勉強の際にパス単1級を断念したそうですが(http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470787.html)、『Friends』で身に付けた語彙で乗り切ったようです。ちなみにこちらのサイトは、私が英語学習の一環として『Friends』を見ているときに、お世話になりました。

あまり苦労せずにSVLを覚えられて、なおかつSVLの12000語では足りないと感じている人には、「英語上達完全マップを10ヶ月やってみた」さんの単語帳もあります。例文は付いていないようです。


[熟語]

DUOを覚えた後に、適当な熟語帳がなかなか見つかりませんでした。何冊か取り組みましたが、その中で特に役に立ったと思うものを2つを挙げます。ただし、英文を読む上で単語のボキャビルほどには重要でないと感じています。

The Japan Times STのサイトの「Remember me?」の熟語 (問題の1/4が熟語問題)
9/9の投稿を参照してください。

Phrasal Verbs and Idioms
Ruth Gairns and Stuart Redman
Oxford University Press
8/12の投稿を参照してください。全部暗記したわけではありません。